1. TOP
  2. 利回りのレバレッジ

利回りのレバレッジ

不動産投資が、有価証券等の他の投資と比べて優れている点として、借入をして投資をする事で、手元にある現金よりも規模の大きい投資を行う事が出来るという点があります。

上手に使えば、借入があるときよりも収益性が上がります。

これをレバレッジ(てこの原理)と言います。

ただし、気をつけたいのは使い方によっては、プラスの収益性にもレバレッジがかかりますが、マイナスの収益性にもレバレッジがかかるという事です。

借入をすれば全ての状況でプラスにレバレッジが働くのではなく、プラスのレバレッジの効果もあれば、マイナスのレバレッジの効果もあります。

その為、正のレバレッジを効かせ、不動産投資を行う為には正しくレバレッジの仕組みを理解する必要があります。

利益率のレバレッジの検証

『利益率』のページの自己資金配当率(CCR:Cash On Cash Return)で、利益率のレバレッジがありました。

自己資金配当率(CCR)はあくまでも単年度の収益率なので、初年度の営業純利益(NOI)に対して、レバレッジがかかるか、かからないかという指標です。

不動産投資を考える際には、複数年度、売却損益で考え、複利で計算することが必要だです。

このレバレッジに関しても、初年度の収益だけでなく複数年度、売却損益で考え、複利で計算することが必要なので確認していきまます。

下の図と表は、『収益率』のページの自己資金配当率(CCR)の例の営業純利益(NOI)600万円を10年間一定にして、自己資金配当率(CCR)を計算したものです。

初年度こそ自己資金配当率(CCR)は16.44%ですが年々値は下がり、10年目には5.86%になっていることが分かります。

手元に入る収益しか見ていないとこの変化に気付きにくいですが、年間負債支払額の中の元金返済部分が借入残高から減り、自己資金が増えているので効率が下がってくるのです。

このように初年度の自己資金配当率(CCR)しか見ないと、良い部分を切り取って見てしまうような事態が起こります。

初年度の収益に対する利益率だと、捉えるべきものが捉えられなくなるので、違う方法でレバレッジを考える必要があります。

その為には、複数年度で売却損益まで考慮した内部収益率(IRR)でレバレッジも考える事が必要です。

利回りのレバレッジの考え方

内部収益率(IRR)でレバレッジを考える時には、内部収益率(IRR)と金利を比べます。

金利は、事務手数料などを考慮した実行金利を本来は使います。

実行金利は、普通のローン電卓では計算することが出来ず、金融電卓という電卓が必要になります。

例えば、借入額9,000万円、金利2%、返済期間30年の借入の時に事務手数料が162,000円だと、実行金利は、2.01%です。

ここでは簡便的に、実行金利でなく金利で考えて行きましょう。

利回りのレバレッジの検証

利益率のレバレッジの検証で用いた事例を基に借入無しの内部収益率(IRR)と借入有りの内部収益率(IRR)が下記のようになります。

■ 借入無しの内部収益率(IRR)

■ LTV90%で借り入れをした内部収益率(IRR)

上表は、内部収益率(IRR)を計算したものです。

このケースでは、借入をしない内部収益率(IRR)は、6%です。

金利は2%、内部収益率(IRR)の方が金利を上回っています。このケースだと、上の借入をしていない状態の内部収益率(IRR)6%から、下の借入をした状態だと26.76%に上がりました。このように借入を上手に使うと正のレバレッジがかかり、利回りを飛躍的に上げることが出来るのです。

レバレッジがマイナスにかかる検証

反対に、マイナスのレバレッジがかかる例をみてみましょう。

『利回り』のページの例で、マイナスの内部収益率(IRR)に考えてみます。

前提条件

初期投資額 2億円

営業純利益(NOI) 800万円

売却価格 1億335万7,951円

 

この条件で建物の総事業費1億円と同じ1億円の借入で考えてみましょう。

 

借入金額 1億円

金利 2%

返済期間 30年

年間負債支払額(ADS) 443万5,433円

10年後の借入残高 73,064,172円

 

税引前キャッシュフロー(BTCF) 356万4,567円

10年後の売却価格-借入残高30,293,779円

 

が借入れをしたことでの追加の情報です。

検証

■ 借入無しの場合の内部収益率(IRR)

■ 借入有りの場合の内部収益率(IRR)


借入前の内部収益率(IRR)は、-1.30%で金利2%を下回っています。

その為、借入後の内部収益率(IRR)は-5.19%と借入前の内部収益率(IRR)よりも悪化しています。

このように複数年度、売却損益を考えた内部収益率(IRR)と複利のレバレッジを間違えた方向で使うとマイナスのレバレッジがかかり、資産をより多く失ってしまうのです。

まとめ

ここまでの説明で難しく感じた方も少なくないと思います。

簡単に考える為のイメージで言うと、安く仕入れて高く売ると思って頂くと分かりやすいです。

リンゴを安く農家から仕入れて、仕入れた金額よりも高く一般の顧客に売るというのと同じだと思って頂くイメージしやすいのではないでしょうか。

リンゴを安く買うのが金融機関からの借入、一般の顧客に販売するのがキャッシュフローと売却損益だと思えば安く買って高く売ればより多くの利益が得られるし、仕入れた金額より安い金額で売ってしまうと損をすることがイメージしやすいでしょう。

 


 

<<利回り   デッドクロス>>