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資産全体の利益率

不動産投資、有価証券など、資産を運用するというのは資産が収益を生む手段です。不動産個別の投資効率を見るには、収益率と利回りで確認をしました。ここでは、資産全体で考えた収益率を考えていきましょう。

ROA(Return On Asset:総資本事業利益率)

法人の分析でROA(Return On Asset:総資本事業利益率)という指標があります。

計算式は、下記になります。

 

事業利益 ÷ 総資産 = ROA

※事業利益 ・・・ 営業利益 + 持分法投資損益 + 金融収益

 

個人の分析にこの考え方を準用します。

事業利益や持分法投資損益、金融収益という言葉に耳馴染みが無い方も多いと思います。

持分法投資損益は、持ち株会社がある場合に計算に入れるもので、グループ会社、子会社を持っているような大きい企業の時に使うと思ってください。

金融収益は、利息による収入なので、低金利の状況では考慮しなくても良いでしょう。

そこで残るのは営業利益です。営業利益で使う数値は営業純利益(NOI)の合計額です。

個人や資産管理法人の総資産に対してどれだけ営業利益を稼ぎだしているのかという指標がROAです。

不動産単体でいう還元利回り(Cap Rate)です。

資産全てを数値化して、不動産だけでなく有価証券や預貯金等、全ての資産を計上します。

全ての営業純利益(NOI)の合計を出しますが、ここで注意したいのは、収入を生んでいない不動産(例えば自宅等)の固定資産税等の支出も計上するということです。

資産全体の営業純利益(NOI)が知りたいわけですから、支出しかない項目でも、考慮しないと、収益を生んでる不動産以外で支出が多い方と少ない方が同じ数値になってしまいます。

この営業純利益(NOI)の合計額を分子にしたものが、個人版ROAです。

計算式は、下記になります。

 

ROA = 営業純利益(NOI)の合計額÷総資産

 

この個人版ROAを作ると多くの方が、資産に対して収益を生んでない財産が多いことに気付きます。

収益を産んでいない資産を維持したい場合には、他の資産で収益を上げないとROAが上がりません。

大豪邸などの家は、資産を生んでいないのに、コストが掛かるものなので、他の資産で収益をリカバリー出来ていないと、自分の体と時間を資本に収益を稼ぎ出すか、資産を切り崩すか、少ない収益の中で支出を押さえるかしかありません。

ROE(Return On Equity:自己資本純利益率)

ROAは、総資産に対しての営業純利益(NOI)の効率でした。

この指標だと、負債がある人と無い人が同じ扱いになってしまいます。

例えば、総資産が1億円で負債が無く純資産が1億円の人と、総資産が1億円で負債が9,000万円で純資産1,000万円の人が同じ分母になってしまいます。

それに対して、純資産に対してどれだけ収益をあげているかという指標がROEです。

 

企業の分析等で使う式は、

 

当期純利益 ÷ 自己資本 = ROE(Return On Equity:自己資本純利益率)

※自己資本 ・・・ 株主資本 + その他包括利益累計額

 

です。

その他包括利益累計額も加味せずに、株主資本を純資産として準用していきましょう。

ROEは、税引前、税引後の両方使われるケースがありますが、今回は税引後として税引後のキャッシュフロー(ATCF)で考えていきます。

計算式は、下記になります。

 

ROE(Return On Equity:自己資本純利益率) = 税引き後キャッシュフロー(ATCF)÷純資産

 

時価ベースの純資産に対して税引後のキャッシュフロー(ATCF)がどれだけあるかという指標がROEです。

ROEは、株などで法人の収益性を判断するのにも良く使われます。

税引後のキャッシュフローの合計額が分からないという場合でもROEの分解式を使って計算をすることができます。

計算式は、下記になります。

負債利子率は、負債を全体で考えた時の金利みたいなものです。

この式も、内部収益率(IRR)と同じように、ROAというリターンと金利と同じような性質の負債利子率を比べ、ROAが高ければプラスのレバレッジの効率が決まり、総資産に占める負債の割合の分だけレバレッジがかかるという式だということがわかります。

また、ROAにレバレッジをかけたものから、税が引かれるので、税が引かれる以上にROAを上げるか、レバレッジで賄うのかという対策が必要だという事がわかります。

このROEの分解式のどこかを改善する事でROEを改善する事が出来、とても重要な公式です。

不動産単体では理解出来るけど、資産全体になると今いちわからないという方も、軸をその投資や行動は時価ベースの純資産が殖えるのかとROEは改善されるのかというこの2点を押さえるだけでも間違った方向には行きにくいので押さえておきましょう。

 


 

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