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利益率と利回り

不動産投資、賃貸経営を行う際に、知らなければいけないのが、リターンの額と効率です。

不動産投資、賃貸経営自体は、目的や目標ではなく、達成する為の手段なので、目的や目標を達成する為にどのくらい近づけるのかというのが額で、どのくらいの速さかというのが効率です。

ここでは効率を考えていきます。

不動産投資の効率というと、販売図面、マイソクなどには、表面利回り〇〇%や実質利回り〇〇%という記載があるので、これを指すと想像される方もいらっしゃると思います。

この販売図面などに記載されている表面利回りや実質利回りという言葉の定義は曖昧に使われています。

この定義が曖昧なことも問題なのですが、それ以前にこの表面利回りや実質利回りは初年度の収入に対しての指標でしかないという事に気をつけなければいけません。

投資の利回り基本

不動産投資に限らず、投資の利回りの基本は、以下の式になります。

このように、投資の基本なリターンの判断の考え方は、初年度にいくら儲かるかではなく、キャッシュフローでのインカムゲイン、売却損益でのキャピタルゲイン、時間を考慮して投資としていくら儲かるかという話です。

株で想像していただくと、配当だけを考慮してリターンを考えても意味がないことが容易に判断出来るのではないでしょうか。

不動産も同じです。例を用いて、初年度の収益だけを考えるとどうなるのか考えてみましょう。

初年度の収益の利回りだけを見て判断見誤る例

例えば、1,000万円の区分マンションで実質利回りと言われるものが6%のものと、1,000万円の太陽光発電の投資で利回り8%と書かれている投資を比較して考えてみましょう。

太陽光発電は、屋上等に設置するタイプで、野立てと言われるような土地を買って設置を行うようなそれ自体を売買できるタイプではないことを前提とします。

6%と8%を比べると、数字としては、太陽光発電の方が良い投資に見えますよね。

この太陽光発電のソーラーパネルの寿命が20年だとして、その時点での投資の結果を比較してみることにします。

下表は、20年間の太陽光発電と区分所有マンションの投資を比較したものです。

0年目というのは1,000万円の初期投資額を指しています。

単年度と書かれているのは、単年度のお金の流れ、累積額と書かれているのはその累計額です。

太陽光発電の方は、1,000万円の8%の収益が継続することを前提とし、区分所有マンションは、1年ごとに家賃が0.5%ずつ下落して、20年後には、当初購入時よりも築年数が増えているので、利回りにプラス1%しないと売却出来ない(価格が下がる)という想定です。

途中の収益しかない時点は、当然利回りと呼ばれるものが高い太陽光発電の方が収益が上ですが、最後の売却損益を含めると区分所有マンションの方の累積額が上回ります。

太陽光発電の寿命の20年で比較しましたが、20年より前だと太陽光発電は転売出来ないので価値はゼロに対して、区分所有マンションはその時に投資家が買う利回りで不動産を売却することが出来ます。

お金の流れの累積額で見ると最後の20年だけ区分所有マンションだけが上回っているように見えますが、実際は、不動産はいつでも売却出来るので、投資により得るお金と売却額を足すと、常に区分所有マンションへの投資が上回ります(景気が後退して売却額が下がった場合には、区分所有マンションへの投資額の方が下回る場合もあります。)。

まとめ

このように初年度の収益に対しての効率しか見ても本来の投資効率は分からないのです。

『時価と簿価の貸借対照表(B/S)』のページのアパートやマンションの建築なども良い例です。

2億円の初期投資額に対して、800万円の営業純利益(NOI)だと、初年度は4%の効率ですが価値としては、6,666万円の含み損を抱えていますので、不動産の価値を考慮しないと投資の判断を狂わせます。

投資の効率を考える際に、単年度の収益に対しての効率を計るものと、投資期間全体(複数年度)で売却損益も含めて効率を計るものがあります。

公式な使い分けということではありませんが、理解を深めるために、このサイトでは、単年度の収益に対しての効率を計るものを利益率と呼び、複数年度で考えるもの利回りと呼びます。この利益率の指標と利回りの指標を使い分け正しい投資判断をしていきます。

 


 

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