1. TOP
  2. 利益率

利益率

販売図面やマイソクなどでは、表面利回り、実質利回りと記入されていますが、会社によって定義が違ったりします。

定義が違うという事は、比較が出来ないということです。

投資を考える際には、A銀行の金利が〇〇%、B銀行の金利が△△%、A銀行の方が□□%高いからA銀行の定期預金にしようというような比較をしたいものです。

この〇〇%や△△%の定義が違うと比較が出来ない状態なので困ってしまいます。

不動産投資、賃貸経営では、世界共通の言語で、不動産鑑定やREIT、ファンドなどの世界でも使われている指標があります。

これをを使うことで、他の物件と比べることに、初めて意味が出てきます。

利益率の原則

定義の前に基本的な考え方からお伝えします。

・収入 ÷ 価値 = 率
・収入 ÷ 率 = 価値
・価値 ÷ 率 = 収入

これが基本的な考え方です。下図は上の式を図で表したものです。

数式で見るよりも、図で見たほうが直感的に捉えられます。

出したいものを手で押さえると、式になります。

この式と同じような式を小学校でも、やったのを覚えていませんか?

これです。

・距離 ÷ 時間 = 速さ

・距離 ÷ 速さ = 時間

・時間 × 速さ = 距離

の、はじきの法則です。

はじきの法則と基本の形は同じですから、やっていることは、難しいことではありません。

利益率の話に戻りますが、この基本式をベースに計算をします。

この基本式に『キャッシュフロー』のページで紹介した総潜在収入(GPI)、営業純利益(NOI)、税引き前キャッシュフロー(BTCF)を使います。

不動産業者によって表面利回りの設定している家賃が高額になっていたり、実質利回りで固定資産税しか入れていなかったりと、定義が違い、比較ができないことがありますが、このように前提が揃うと他の物件と比較ができます。

以下が投資分析で使う利益率です。

表面利回り

表面利回り=総潜在収入(GPI)÷物件価格

表面利回りは、物件価格に対しての収入の規模を簡便的に見るものです。

総収益率(FCR:Free and Clear Return)

FCR=営業純利益(NOI)÷(物件価格+購入諸費用)

営業純利益(NOI)に対して、諸費用と物件価格を足したものが分母となります。

還元利回り(キャップレート:Cap Rate)

還元利回り(キャップレート)=営業純利益(NOI)÷物件価格

営業純利益(NOI)に対して、諸費用含めず物件価格のみが分母となります。

自己資金配当率(CCR:Cash On Cash Return)

CCR=税引き前キャッシュフロー(BTCF)÷自己資金

自己資金に対する利益率。借入れをすることで、還元率(Cap Rate)とローン定数(K%)を比べて、還元率(Cap Rate)が上回ればプラスに、下回ればマイナスに、てこの原理が働き、物件が持つ力の還元率(Cap Rate)よりも上振れしたり、下振れしたりさせます。

※ローン定数(K%)・・・年間負債支払額(ADS)÷借入額

上図は、自己資金配当率(CCR)の式を図解したものです。

物件価格1億円、営業純利益(NOI)600万円で、借入額9,000万円(LTV90%)金利2%、期間30年の融資を受けた例です。

借入れをせず、全額自己資金のときの利益率の還元率(Cap Rate)は6%です。

この場合、年間負債支払額(ADS)は約399万円です。

営業純利益(NOI)から年間負債支払額(ADS)を引くと税引き前のキャッシュフロー(BTCF)は約201万円です。

自己資金1,000万円に対して201万円のリターンなので、自己資金配当率(CCR)は20.1%です。

借入れをしないときの還元率(Cap Rate)が6%なので、借入れをすることで20.1%に利益率が上がったのです。

ローン定数(K%)は金融機関側の利益率です。

還元率(Cap Rate)とローン定数(K%)の差をイールドギャップ(YG)といい、イールドギャップ(YG)の1.56%分が自己資金の利益率を上げています。

これをレバレッジ(てこの原理)といいます。

利益率まとめ

このように利益率にはいくつか種類があります。

『表面利回り』は簡便的に投資規模を確認するもの、『還元利回り(キャップレート)』は全額自己資金の時の物件が持つ稼ぐ力を確認するもの、『総収益率(FCR)』は還元利回り(キャップレート)に諸費用を加味したもの、『自己資金配当率(CCR)』は借入をした場合の自己資金に対する利益率を確認するもの、と用途によって使い分けをします。

このように各利益率が計算出来るのも、キャッシュフローの前提がしっかりと整っているからです。

同じ尺度で値を出しているから、同じ尺度の利益率で比較をすることが出来るのです。

ただし、ここで確認してきた利益率はあくまで初年度の収益に対してということと、売却の損益は含まれていない事は忘れてはいけません。

 


 

<<利益率と利回り   健全性の指標>>