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出口のタイミング

不動産投資、賃貸経営の出口、つまり売却をする際には、タイミングが重要です。

相場が高く、物件価格が高い時に売却した方が当然良いです。

下図は、景気の変動に伴う不動産相場を表した図です。

下図のタイミングで購入した場合に、キャッシュフローが蓄積し損益分岐点は下がるものの、次の波で売却をするとしたら、オレンジ色塗部分でないと損をしてしまいます。

しかし、売却のタイミングは市場の動向だけでなく、所有者の事情で必要になる場合があります。

例えば、中古で購入した物件の減価償却が終わり、元金の内訳が増え、デッドクロス以降になっている状況で、所得税が高くなってしまい、組み換えもしくは追加購入したいというような状況やもっと良い物件が買えそうだから売却してしまいたい場合などもあります。

このような資産形成をプラスの方向に持っていくという状況だけでなく、相続の生前対策として不動産が一つでは分割が出来ないから、一つの不動産を売却し、二つの不動産を購入するとか、相続発生後に、相続税は支払えないから売却をするなど、様々な理由で売却したい理由が出てきます。

ここでは、売却する時の市場動向が投資効率である内部収益率(IRR)にどのような影響を与えるのか確認してみたいと思います。

また、売却する時の市場動向が内部収益率(IRR)に与える影響が、保有期間が5年の場合、10年の場合、15年と、保有期間が変わった場合にどのような影響を与えるのかを確認してみます。

前提条件

・ 物件価格 1億円

・ 購入時還元利回り(Cap Rate) 6%

・ 営業純利益(NOI) 600万円

■ 還元利回り(Cap Rate)が6%のままの内部収益率(IRR)

還元利回り(Cap Rate)が変わらず10年後に売却したの内部収益率(IRR) 6%

検証

・ 売却時の還元利回り(Cap Rate)6%から、1%上がり7%になる(価格が、1億円から8,571.4万円に下がる)

・ 保有期間は、5年、10年、15年

結果

■ 還元利回り(Cap Rate)が1%上昇した内部収益率(IRR)(5年)

還元利回り(Cap Rate)が1%上昇した価格で5年後に売却した内部収益率(IRR) 3.33%

■ 還元利回り(Cap Rate)が1%上昇した内部収益率(IRR)(10年)

還元利回り(Cap Rate)が1%上昇した価格で10年後に売却した内部収益率(IRR) 4.86%

■ 還元利回り(Cap Rate)が1%上昇した内部収益率(IRR)(15年)

還元利回り(Cap Rate)が1%上昇した価格で5年後に売却した内部収益率(IRR) 5.36%

 

売却価格が下がった場合、保有期間が長くなると、売却価格の変化が内部収益率(IRR)に与える影響は小さくりました。

逆に、還元利回り(Cap Rate)が下がり、売却価格が上がった時もみてみます。

検証

・ 売却時の還元利回り(Cap Rate)6%から、1%下がり5%になる(価格が、1億円から1億2,000万円に上がる)

・ 保有期間は、5年、10年、15年

結果

■ 還元利回り(Cap Rate)が1%下落した内部収益率(IRR)(5年)

還元利回り(Cap Rate)が1%下落した価格で5年後に売却した内部収益率(IRR) 9.32%

■ 還元利回り(Cap Rate)が1%下落した内部収益率(IRR)(10年)

還元利回り(Cap Rate)が1%下落した価格で10年後に売却した内部収益率(IRR) 7.42%

■ 還元利回り(Cap Rate)が1%下落した内部収益率(IRR)(15年)

還元利回り(Cap Rate)が1%下落した価格で5年後に売却した内部収益率(IRR) 6.81%

まとめ

売却価格が上がった時も、売却価格の変化が内部収益率(IRR)に与える影響は期間が短い方が大きいことがわかります。

物件を高い時期に購入してしたり、相場よりも割高に購入してしまった方の選択肢として売却価格が下がりそうだったら、保有期間を長くして売却損の影響を小さくするという事も選択肢になります。

また、売却益が出る方は売却価格が高い時に売却して利益確定してしまった方が投資の効率としては良いことになります。

ただし、新築ワンルームマンションを購入してしまった方で良くありがちな、キャッシュフローが赤になっているケースでは手元の現金が減っていくことも考慮に入れなければいけないので単純に保有期間を長くすれば良いという問題でもありません。

キャッシュフローの問題だけでなく、保有期間を長くして売却損を小さくするというのは、部分最適であって、保有するという事は他の投資が出来ないので、損切りをして他の優良な資産に組み替えないということでもあるので、部分最適ではなく、全体最適で考える必要があります。

売却益が出る方も、高くなった相場で売却をするのだから、売却して新たに購入するとしたら高くなった相場で購入するという事になります。

どちらの場合も、ジレンマが出ます。

物件を売却する、購入する、組み替えるというのは物件単独で決めるというよりも資産全体で考える必要があります。

 


 

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