形成すべき資産とその増やし方(減り方)
不動産投資、賃貸経営の手法や物件の選別を考える前に、資産を形成するという定義を理解し、そのゴールに向かって、プロセスを考えることは、とても重要です。
これは不動産投資、賃貸経営に限ったことではなく、有価証券にしろ、生命保険にしろ、資産形成に関わる全てに共通することです。
資産はいくらあっても、資産が資産生む仕組みを作らないと、自分の体を資本に稼ぎ続けないと、減っていきます。
日常生活でかかる支出に加え、資産を保有する事でかかるコスト(例えば固定資産税など)、相続税などの支出を超える収入を稼がないと資産は減る一方です。
資産を守るというと、親から代々引き継いだ不動産などがあれば、物体として守りたいと思い、その土地上にアパートやマンションを建てるのかもしれません。
そう思って、アパートやマンションを建築する方の多くが、『時価と簿価の貸借対照表(B/S)』のページでお伝えしたような状況になり、多くの資産を失います。
資産を守るというのは時価ベースの純資産をいかに殖やすか、いかに下げないかという事が前提に無いと、かかる支出の為に守りたいはずだった資産も失ってしまう事があります。
売却をしたくない不動産があるということであれば、その不動産を守る方法は、資産を減らすアパートやマンションの建築ではなく、他の資産から収益を上げ、将来の支出を払うことが出来る収益を上げることが守る手段になることもあります。
しっかりと資産を数字で捉え、今どういう状況なのか、目標は何か、それを達成するプロセスは何なのか考えていきましょう。
資産を形成するという事は時価ベースの純資産を殖やすという事ですが、時価ベースの純資産を殖やす為にはどのように時価ベースの純資産を殖えたり、減ったりするのかを理解していないといけません。
純資産が増えるプロセス
時価の貸借対照表(B/S)で純資産が増えたり減ったりするプロセスは、下図のようになります。
20×2年の時価の貸借対照表(B/S)の純資産は、20×1年度のキャッシュフローが20×1年度の時価の貸借対照表(B/S)の純資産に加算(もしくは減算)されます。
もしくは、市場の価値より低い割安な不動産を購入(価格交渉をして金額が下がるとは、イコールではありません。)をすると、購入価格と価値に乖離が生まれ純資産を増やすという二通りです。(購入価格と価値に乖離が生まれたものを売却まで行うと、キャピタルゲインになります。)
この時価の貸借対照表(B/S)の純資産を効率良く殖やしていくこと、それが資産形成です。